wwPDBは設立10周年を迎えました
wwPDBは設立10周年を迎えました

バースデーケーキをクリックして、記念のスライドショーをご覧ください。
2013年7月1日、PDBアーカイブを管理する国際的な協力組織「国際蛋白質構造データバンク」(wwPDB)は設立から10周年を迎えました(1)。
控えめなスタート
1971年、たった7つの蛋白質始まったPDBはこの42年の間急速に拡大してきました。昨年は9,972個の新たな構造が登録されましたが、この数は最初の25年間に登録された件数を上回るものです。現在、9万件以上もの構造が登録されており、このペースで登録数が増えると国際結晶年に当たる2014年には10万件に達する見込みです。
2003年7月1日、PDBアーカイブの管理はwwPDBの設立によって大きく変わりました。PDBは国際的なアーカイブとなり、PDBに登録されている有意義なデータの蓄積や管理を行う活動や、世界中の研究者の役に立つよう無料で提供する活動が今後も続くことが保証されるようになりました。
現在wwPDBの組織は4つのメンバーで構成されています。米国の構造バイオインフォマティクス研究共同体 蛋白質構造データバンク(RCSB PDB)と生体高分子NMRデータバンク (BMRB)、欧州蛋白質構造データバンク(PDBe)、日本蛋白質構造データバンク(PDBj)がそのメンバーです。
wwPDBの活動
wwPDBの各メンバーは、PDBデータの登録処理とデータ配布を行う拠点として活動しています。様々な関連団体と協議の上、アノテーションの方針やファイル形式、構造データの検証基準の策定に取り組んでいます。メンバー組織間の緊密な協力は、世界中のPDBユーザに信頼性と整合性のあるデータを提供する上で欠かせないものです。
各拠点は、データの提供と処理のあらゆる面で協力して活動するだけでなく、生体高分子の構造と機能に関する豊富なデータをユーザが利用しやすいようにするため、個々にツールやサービスの提供する活動も行っています。
wwPDBの活動は、X線結晶解析や3DEM(3次元電子顕微鏡)、NMR、バイオインフォマティクスの専門家で構成される国際的な諮問委員会によってチェックされています。
今後の課題
PDBに登録される生物学的データの量、多様さ、複雑さが増してきていること、 そして生物に関係する分子、複合体、分子機械の構造に対する知見を得るための複合的な技術が出てきていること、これらは全て構造データの管理と表現方法に対して重要な課題を突きつけています。
このような課題に対応するため、wwPDBの各メンバーは協力して新たなソフトウェアシステムの開発を行っています。この新システムでは一つのインタフェースの下で、複雑で様々な生体高分子の構造を登録、検証し、アノテーションを行うことができます。また、構造データに付随する実験データについてもこの同じインタフェースで扱うことができます。この新システムは2014年の初旬からwwPDBの全登録サイトで全面的に稼働し始める予定です。これによりあらゆる分子サイズ、構造決定手法(結晶解析、NMR、電子顕微鏡)の構造を扱うことができるようになります。
検証は新たな登録・アノテーションシステムにおいて不可欠な部分です。登録時に行われる座標、実験データおよび関連するメタデータの評価は、アーカイブデータの品質向上に欠かせません。さらに、構造生物学の素養がない(少ない)ユーザが自分の目的に最も合った構造モデルを選ぶのにも役立つことでしょう。
今後10年間にどんな新しい課題が現れようとも、wwPDBは引き続き高分子構造アーカイブの高い品質水準、完全性、整合性を維持するよう努めます。また、利用者数が増加し、需要の幅が広がり、利用者からの要求水準が難しいものになったとしても、世界中の利用者が無料で利用が続けられるよう努力して参ります。
(1) Announcing the worldwide Protein Data Bank. Berman H, Henrick K, Nakamura H. Nat. Struct. Biol. 10, 980 (2003) doi:10.1038/nsb1203-980
[ wwPDBニュース ]
第13回日本蛋白質科学会年会における、ランチョンセミナー(6月12日開催)の発表内容を 講習会ページ に掲載しました。
2013年6月17日(月)、18日(火)に、中国蘇州大学にて、第11回 日韓中バイオインフォマティクストレーニングコースが開催されます。
下記講演は終了しました。
第11回 日韓中バイオインフォマティクストレーニングコース@蘇州大学
- 開催日: 2013年6月17日(月)、18日(火)
- 開催場所: 蘇州大学(中国)
6月17-18日、中国蘇州大学にて、今年で11回目を迎える日韓中バイオインフォマティクストレーニングコースが開催されます。 PDBj から金城玲准教授が招待講演者として参加し、蛋白質の最適コンタクトポテンシャルと配列の保存モードについて講義を行います。
2013年6月18日(火)10:50 - 11:50
金城 玲(大阪大学蛋白質研究所)
"On the optimal contact potential and sequence conservation modes of proteins."
※開催内容の詳細は、下記ページをご覧ください。
2013年6月12日(水)に、鳥取にて開催される第13回日本蛋白質科学会年会にて、 ランチョンセミナーを実施いたします。
下記講演は終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
PDBj ランチョンセミナーのご案内
6月12日(水)‐14日(金)鳥取にて開催される第13回日本蛋白質科学会年会にて、PDBj は下記の通りランチョンセミナーを実施いたします。- 発表日時: 2013年6月12日(水) 11:45-12:45
- 会場(部屋名): D会場(とりぎん文化会館、鳥取市)
[ Access Map / Floor Map ]
- 席数: 100席
<演者・演題>
-
Gert-Jan Bekker (大阪大学蛋白質研究所) ※講演は英語で行います
Introducing PDBj's new web interface: Smart, Customizable & Futuristic
(新しいPDBj web: カスタマイズ可能な未来型インターフェース‐より賢く、あなた好みに) -
岩田 武史 (大阪大学蛋白質研究所)
生体高分子NMRデータバンク(BMRB)新ポータルサイト:データ解析、登録支援、データベースの活用
(Upgraded portal site of Biological Magnetic Resonance Bank (BMRB): tools for NMR data analysis, deposition to the database) -
金城 玲 (大阪大学蛋白質研究所)
PDBの”新”フォーマット(The "new" PDB format)
公開済みの登録構造が9万件を超えました。 2013年5月1日の更新時点で、90,206件のPDB登録構造が公開されています。
公開済みの登録構造が9万件を超えました。 2013年5月1日の更新時点で、90,206件のPDB登録構造が公開されています。
2013年5月3日(金・祝)に、大阪大学いちょう祭にて施設・研究紹介を行いました。 多数のご来場をありがとうございました。
BIRD辞書によるペプチド様抗生物質や阻害剤分子の定義について
BIRD辞書によるペプチド様抗生物質や阻害剤分子の定義について
wwPDBのBIRD辞書では、抗生物質やペプチド阻害剤、その他の複雑な生物学的リガンドが定義されています。
このような生物学的に興味のある分子を定義し説明するために、BIRDには化学的な説明や、配列と結合の情報、中心となる構造や外部リソースから取得した機能と分類に関する情報等が含まれます。
生物学的に興味のある分子を含むPDBエントリーは全て、BIRD辞書を用いて編集が行われ、対応するBIRD IDは、PDBx形式のファイルにのみ記載されています。 BIRDを使用することで、ペプチド様抗生物質や阻害剤分子のデータの一貫性が大幅に改善されることが期待されます。
BIRDはwwPDBのFTPサイトから利用でき、化学化合物辞書(Chemical Component Dictionary)と同じ階層に配置されています。
ftp://ftp.pdbj.org/pub/pdb/data/bird/prd/ (PDBj FTPサイト) ftp://ftp.wwpdb.org/pub/pdb/data/bird/prd/ (wwPDB FTPサイト)新しい登録があれば、BIRD辞書は更新されます。BIRDについての概要、定義の詳細は、wwPDBのページからご覧頂けます。
2013年5月3日(金・祝)に、大阪大学いちょう祭にて施設・研究紹介を行います。 タンパク質に興味のある方どなたでも歓迎です。
下記のイベントは終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
大阪大学いちょう祭・蛋白研イベント
PDBj は大阪大学いちょう祭の施設・研究紹介にて、下記のイベントを開催します。タンパク質に興味のある方ならどなたでも歓迎します。- 開催日時: 2013年5月3日(金・祝) 13時-16時30分
- 会場: 大阪大学蛋白質研究所 蛋白質解析先端研究センター4階
『タンパク質の”かたち”を見てみよう-万見プライム』
『万見プライム』(生体分子を一般の方にも分かりやすく紹介するウェブサービス)を使って、”タンパク質のかたち”をご覧頂き、かたちを知ることがどんなことに役立つのかをご紹介し ます。 タンパク質に興味のある方どなたでも歓迎です。
※いちょう祭の詳細・プログラムについては、大阪大学HPのイベント情報をご覧ください。
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/event/2013/05/20130502_1
PDBj が編集処理を行ったPDB登録数が2万件に達しました
PDBj が編集処理を行ったPDB登録数が2万件に達しました。
PDBj は、2000年にPDBエントリーの編集処理を開始して以来、2万件の登録構造を処理しました。 この成果に対しては、全ての登録者とwwPDBのメンバーに感謝しています。
各年の登録数と処理数の統計情報は、 wwPDB の統計情報ページ でご覧頂けます。
平成24年度PDBj 講習会(3月7日開催)における発表内容を 講習会ページ に掲載しました。
平成24年度PDBj 講習会(3月7日開催)における発表内容を 講習会ページ に掲載しました。
EMDBヘッダファイル(各マップに付随するXMLファイル)の新しいフォーマット(バージョン1.9.0)が公開されました
EMDBヘッダファイル(各マップに付随するXMLファイル)の新しいフォーマット(バージョン1.9.0)が公開されました。
FTPサイトのEMDBヘッダファイルは、新しいフォーマットに置き換わりました。
(ftp://ftp.pdbj.org/pub/emdb/structures/EMD-/header/emd-.xml)
EMDataBankの登録・編集・検索サービスでも新しいバージョンが使用されます。
1.9.0用のスキーマは、以下の場所からご利用頂けます。
ftp://ftp.pdbj.org/pub/emdb/doc/XML-schemas/Header-schema/current/emdb.xsd
変更点の一覧は、スキーマファイルの先頭に記載されています。 スキーマ(v1.9.0)の主な変更点については wwPDBニュース もご覧ください。
2013年3月8日(金)に、医療と生命科学データベースの連携をテーマに、蛋白質研究所セミナーが開催されました。
2013年7月29日-8月1日に、 札幌にて第7回国際構造ゲノム会議-構造生命科学 が開催されます。PDBj はブース展示を行い、PDBjとwwPDBの活動について紹介いたします。
下記講演は終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
2013年7月29日-8月1日に、札幌にて第7回国際構造ゲノム会議-構造生命科学が開催されます。PDBj はブース展示を行い、PDBjとwwPDBの活動について紹介いたします。第36回日本分子生物学会年会(12月3日-5日出展)におけるPDBj の出展内容を 講習会ページ に掲載しました。
第36回日本分子生物学会年会(12月3日-5日出展)におけるPDBj の出展内容を講習会ページに掲載しました。
セミナー案内ページ:http://pdbj.org/news/20131125
ニュース (2013年11月25日)
PDBj の出展内容を講習会ページに掲載しました。
下記講演は終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
NBDC特別企画
-使ってみようバイオデータベース-つながるデータ、広がる世界-
バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)特別企画においてPDBj の最近の活動とデータベースについてご紹介します。 (URL: http://events.biosciencedbc.jp/exhibition/mbsj36/)
- 展示期間: 2013年12月3日(火)-5日(木) 9:30-17:00
- 会場: 神戸国際展示場3号館 バイオデータベースコーナー
コーナーレイアウト 出展ブースNo.バイオDB11 "Protein Data Bank Japan"
第36回日本分子生物学会年会 (http://www.aeplan.co.jp/mbsj2013/)
- 会期: 2013年12月3日(火)- 6日(金)
- 会場: 神戸コンベンションセンター [Access]
12月7(土)-10日(火)に香港で開催される第12回アジア結晶学会にて、口頭発表およびポスター発表を行います。
下記講演は終了しました。
第12回アジア結晶学会
(The 12th Conference of the Asian Crystallographic Association)
香港で開催される第12回アジア結晶学会にて、口頭発表およびポスター発表を行います。
- 口頭発表
- 日時: 12月8日(日) 10:50-11:15
- 会場: Lecture Theatre J (MS-1)
- 発表番号: O1-1 (ASCA130144)
- 演者: 栗栖源嗣、中川敦史、中村春木(大阪大学蛋白質研究所)
- Modifications to the Protein Data Bank (PDB)
- ポスター発表
- 日時: 12月9日(月) 16:15-18:00
- ポスター番号: P-068 (ASCA130132)
- 演者: 中村春木、他(大阪大学蛋白質研究所)
- Protein Data Bank Japan (PDBj): maintaining structural data archive and integration of structure data with other life sciences data resources by semantic web technologies.
第12回アジア結晶学会 (http://asca13.ust.hk/web/asca/index.php)
- 会期: 2013年12月7日(土)- 10日(火)
- 会場: 香港科技大学(The Hong Kong University of Science and Technology)
wwPDBでは、1970年代から使われてきた「PDBフォーマット」に替わり、2014年から新しい標準フォーマット(PDBx/mmCIF)の利用を開始する予定です。
wwPDBの新しいサービス(Stand-alone validation server)を使って、解析したX線結晶構造を検証できます。
wwPDBの新しいサービスを使って、解析したX線結晶構造を検証できます。
新しく公開されたwwPDB検証サーバー(stand-alone wwPDB validation server)を使って、高分子結晶学者自身がX線結晶構造の検証レポートを作成できるようになりました。
この検証レポートは、構造解析や論文の発表、登録の前に対処すべき潜在的な問題を特定するために、初期、中期、ほぼ最終段階のモデルの品質を評価する際に使うことができます。
URL: http://wwpdb-validation.wwpdb.org/
wwPDB検証サーバーについての詳細は、wwPDB NewsやwwPDBサイトのStand-alone wwPDB validation serversのページをご覧ください。
また、新検証レポートについてのフィードバックをお待ちしております。コメントや質問は validation@mail.wwpdb.orgまで英語でお送りください。
PDBMLplus(非圧縮版)の提供終了予定のお知らせ
圧縮版はこれまで通り、PDBj ftpサイトにて提供致します。
11月9日(土)・10日(日)に、東京お台場にて開催される サイエンスアゴラ に出展します。
下記講演は終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
サイエンスアゴラ2013への誘い
2013年11月9(土)・10(日)、東京お台場にて、JST主催一般向け科学イベント「サイエンスアゴラ2013」が開催されます。 (公式サイト: http://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/)
「サイエンスアゴラ」はサイエンスについてのおもしろいこと、気になることを発見し、一緒に楽しみ、語り合い、共有するマルチイベントです。
たんぱく質のかたちを調べると何がわかるの?
PDBj は「たんぱく質のかたち」をテーマに、3D画像をつかった企画展示を行います。蛋白質の立体構造や解析について、イメージを膨らませて頂けるきっかけとなれば幸いです。(プログラム概要)
第51回日本生物物理学会年会におけるランチョンセミナー(10月28日開催)の発表内容を 講習会ページ に掲載しました
10月28日(月)に、京都国際会館にて開催される第51回日本生物物理学会年会にて、ランチョンセミナーを実施いたします。
下記講演は終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
PDBj ランチョンセミナーのご案内
PDBj は、京都国際会館にて開催される第51回日本生物物理学会年会にて、ランチョンセミナーを実施いたします。
- 発表日時: 2013年10月28日(月) 12:30-13:20
- 会場(部屋名): C 会場(Room C-1)
- 席数: 100席
- 演者・演題:
-
Activities of PDBj and wwPDB: A new PDB format, Data Deposition, Validation, and Data Integration
中村 春木 (大阪大学蛋白質研究所)
Haruki Nakamura (Institute for Protein Research, Osaka University) -
The new PDBj web Interface: Customizable, Modern and User-friendly
Gert-Jan Bekker (Institute for Protein Research, Osaka University) -
PDBj-BMRB: Publishing NMR Spectroscopy Derived Data of BioMagResBank in Structured Data Formats, XML and RDF
横地 政志 (大阪大学蛋白質研究所)
Masashi Yokochi (Institute for Protein Research, Osaka University)
-
Activities of PDBj and wwPDB: A new PDB format, Data Deposition, Validation, and Data Integration
- 発表内容の概要は学会要旨 (pdf 535KB) をご覧ください。
※学会受付にて配布いたします昼食引換券を持って会場へお越し下さい。昼食(弁当、お茶)を無料で提供させて頂きます。
第51回日本生物物理学会年会 (http://cls.kuicr.kyoto-u.ac.jp/bsj2013/)
- 会期: 2013年10月28日(月)- 30日(水)
- 会場: 国立京都国際会館(京都市左京区宝ケ池) [Access]
10月13日(日)に、熊本大学にて開催される 日本結晶学会年会 にて、ランチョンセミナーを実施いたします。
下記講演は終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
PDBj ランチョンセミナーのご案内
PDBj は、熊本大学にて開催される日本結晶学会年会にて、ランチョンセミナーを実施いたします。
- 発表日時: 2013年10月13日(日) 11:30-12:30
- 会場(部屋名): D 会場(工学部2号館2階 225講義室)
- 席数: 100席
- 演者・演題:
-
中村 春木 (大阪大学蛋白質研究所)
PDBj(PDB japan)の活動とwwPDB
-
中川 敦史 (大阪大学蛋白質研究所)
PDB (Protein Data Bank)への登録について
-
中村 春木 (大阪大学蛋白質研究所)
平成25年度 日本結晶学会年会および総会 (http://crsj2013.main.jp/)
- 会期: 2013年10月12日(土)- 13日(日)
- 会場: 熊本大学 黒髪南地区(熊本県熊本市) [Map]
10月9日(水)-11日(金)に、パシフィコ横浜で開催される BioJapan 2013 -World Business Forum に出展します。
下記講演は終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
BioJapan 2013 - World Business Forum のご案内
PDBj は、パシフィコ横浜で開催される BioJapan 2013 -World Business Forumに出展します。
- 会期: 2013年10月9日(水)- 11日(金)
- 会場: パシフィコ横浜
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1 [Map]
展示会場・大学研究室/TLO向けアカデミックゾーンの『科学技術振興機構』(ブースNo.B401※)コーナーで、ポスターを展示し、PDBjの技術スタッフがPDBj の活動とデータベースサービスについてご紹介します。
※ブース配置図をご覧ください。
wwPDBのNMR検証作業チームの提言をまとめた論文が公開されました
wwPDBのNMR検証作業チームの提案内容が雑誌に掲載されました
wwPDBのNMR検証作業チーム(wwPDB NMR Validation Task Force)の提案内容が雑誌「Structure」に掲載されたことをお知らせします(doi: 10.1016/j.str.2013.07.021)。
PDBに登録されている、NMRを使って解かれた構造の件数が増加するにつれ、確かな検証ツールを提供することは益々重要になってきています。NMRによって解かれた構造データとそれに伴う実験データの品質評価はNMR法の開発における重要な分野であり、さらに多くの研究者にとってNMR構造が利用しやすく役に立つものにする上でも欠かせません。
wwPDBの各メンバーは、NMR分光法によって決定された構造を検証するための新しい基準とソフトウェアの開発を積極的に進めています。分野の専門家で構成されたwwPDBのNMR検証作業チーム(VTF)が開催され、各研究者の意向をまとめた基準となる検証基準を定義してきました。VTFが提示したこの最初の提言内容は、wwPDBの検証パイプラインに組み込まれ、全てのNMR構造の登録に適用される予定です。
この論文では、NMR VTFの提言内容のまとめと、NMRで解かれた生体分子の構造情報・データの品質評価基準を改良していく今後の活動の基礎となるものについて述べられています。
[ wwPDB ニュース ]
論文が公開されました「How Community Has Shaped the Protein Data Bank」
論文が公開されました「How Community Has Shaped the Protein Data Bank」
PDB設立以来の沿革についての論文が公開されました。
How Community Has Shaped the Protein Data Bank
Helen M. Berman, Gerard J. Kleywegt, Haruki Nakamura, John L. Markley
Structure (2013) 21: 1485-1491 doi: 10.1016/j.str.2013.07.010
[ wwPDB ニュース ]
2013年8月23日(金)、大阪中之島にてPDBj 講習会を開催しました。発表内容を 講習会ページ に掲載しました。
構造の登録者、ならびに雑誌編集者や論文査読者を支援するため、wwPDBでは新たなX線構造検証レポートを発行します
構造の登録者、ならびに雑誌編集者や論文査読者を支援するため、wwPDBでは新たなX線構造検証レポートを発行します
wwPDBの各メンバーより、新しい非常に有益なX線構造の検証レポートの提供が始まることをお知らせします。 このレポートは構造のアノテーション過程の一環として構造登録者に提供されるもので、登録者が登録構造の品質評価に使ったり、雑誌編集者や査読者が原稿を審査する上で役立てたりすることができます。
新レポートを作成する過程で行われる検証には多くの専門家の提言が取り入れられています [1,2]。 このレポートは、元々2014年公開予定のwwPDBの新登録・編集システムの一部として導入される予定でした。しかし、このレポートに関する最初のフィードバックは非常に肯定的であったため、先行して2013年8月1日から、PDBe、PDBj、RCSB PDBで登録される全てのX線構造に対して提供されることになりました。
PDBe(欧州蛋白質構造データバンク)代表のジェラルド・クライベクト(Gerard Kleywegt)氏は次のように述べています。 「構造登録の『入り口』での検証は、構造アーカイブの品質と整合性を高める上で非常に重要です。」 「X線結晶構造についてのwwPDBの新検証レポートは、モデル、実験データ、そしてこれらデータがモデルに適合するかを検証する上で研究者たちの豊富な経験に基づき作成されます。 新レポートはwwPDB各メンバーから提供されてきた従来のレポートに比べ格段に改善されています。 初期段階における構造登録者、アノテーションスタッフだけではなく一般ユーザからのフィードバックは非常に肯定的であり、実際このことが新レポートの提供開始を予定より大幅に早めるきっかけとなりました。 私たちは、雑誌編集者や査読者に、論文投稿や査読過程の一環として、この新レポートを登録者に要求することを強く推奨します。」
国際結晶学連合(IUCr)の雑誌に投稿する際、wwPDBの検証レポートを提供することは既に必須事項となっています。 我々はこの改良された新レポートの提供開始によって、投稿の際にwwPDBの検証レポート提出を義務化する雑誌が増えていってくれることを願っています。
新X線検証レポートは、2008年4月に始まったwwPDB X線検証タスクフォース(wwPDB X-ray Validation Task Force)[1,2]の勧告に従い準備が進められてきました。検証における一連の過程では、MolProbity、Xtriage、Mogul、EDS、CCP4プログラム群などのソフトウェアが試し検証された上で使用されています。 新レポートには、分子構造、構造因子、リガンドの検証結果も記載されています。また構造の品質について要約し、モデルの座標や回折データおよびその両者がうまく適合するかについて考慮して得られた懸念すべき事項についても特記しています。登録者や雑誌編集者、査読者を更に支援するため、既に登録されているモデルと比較した、品質に関する分かりやすい概要も提供されます。
この検証レポートは、wwPDBのアノテーションスタッフが登録構造の処理を完了した時、X線結晶構造の登録者に 送付されます。 今年の後半には、登録システムとは独立した検証レポートを生成するためのウェブサービスを公開する予定です。これを使うと登録に先だって検証レポートを確認することができます。 なお、レポートやオンライン文書はまだ開発中であることにご留意ください。つまり、まだ場合によっては新形式でのレポートが生成できない可能性があり(できるだけ早くこのようなケースがなくなるよう努めていますが)、レポートの内容やレイアウトが変更される場合がある、ということを意味します。しかし、新レポートを提供することによる利点はこれら問題点による短所を大きく上回ると我々は感じています。 2014年初旬には、既存の全PDBエントリーのうちX線結晶構造について、新検証レポートを作成する予定です。レポートはPDF形式に加え、基準に対する外れ値などの検証情報を全て網羅したXMLファイルでも提供されます。 NMR分光法[3]や極低温3次元電子顕微鏡[4]によって決定された構造に対する検証パイプラインは、現在開発中であり、後ほど導入予定です。
X線構造の検証レポート例など更なる情報については、こちらをご覧ください。 また、新検証レポートについてのフィードバックをお待ちしております。コメントや質問は validation@mail.wwpdb.orgまでお送りください。
[1] Read RJ, Adams PD, Arendall WB, III, Brunger AT, Emsley P, Joosten RP, Kleywegt GJ, Krissinel EB, Lutteke T, Otwinowski Z, Perrakis A, Richardson JS, Sheffler WH, Smith JL, Tickle IJ, Vriend G, Zwart PH. (2011) A new generation of crystallographic validation tools for the Protein Data Bank. Structure 19: 1395-1412. doi: 10.1016/j.str.2011.08.006
[2] Gore S., Velankar S. and Kleywegt G.J. Implementing an X-ray validation pipeline for the Protein Data Bank 2012, Acta Cryst., D68, 478-483. doi: 10.1107/S0907444911050359
[3] Montelione GT, Nilges M, Bax A, Güntert P, Herrmann T, Richardson JS, Schwieters C, Vranken WF, Vuister GW, Wishart DS, Berman HM, Kleywegt GJ, Markley JL. (in press) Recommendations of the wwPDB NMR Structure Validation Task Force. Structure.
[4] Henderson R, Sali A, Baker ML, Carragher B, Devkota B, Downing KH, Egelman EH, Feng Z, Frank J, Grigorieff N, Jiang W, Ludtke SJ, Medalia O, Penczek PA, Rosenthal PB, Rossmann MG, Schmid MF, Schroder GF, Steven AC, Stokes DL, Westbrook JD, Wriggers W, Yang H, Young J, Berman HM, Chiu W, Kleywegt GJ, Lawson CL. (2012) Outcome of the first electron microscopy validation task force meeting. Structure 20: 205-214. doi: 10.1016/j.str.2011.08.006
[ wwPDB News ]
2013年8月23日(金)、大阪中之島にてPDBj 講習会を開催します。 講習会の要旨を掲載しました。
下記講演は終了しました。多数のご来場をありがとうございました。
H25年度「PDBj 講習会」のご案内
- 日時: 平成25年8月23日(金)10:00~16:50
- 会場: 大阪大学中之島センター 講義室702
〒530-0005 大阪市北区中之島4丁目3-53 [Map] - 定員: 40名(先着順)
- 参加費: 無料
- PCについて: 講習会ではPCを使用します。
原則ご自身のノートPCを持参下さい。お持ちでない方は、貸出用PC(Windows XPか7, Mac)を準備しますので申込み時にお知らせください(数に限りがあるため、お申込み順となります)。 - 問合せ: お問い合わせフォーム又は電話( Tel: 06-6879-4311 )にて、PDBj 事務局 担当:晴氣(ハルキ)までご連絡ください。
講習会プログラム
- 9:30~ 受付開始
-
10:00 - 11:10 「PDBデータの検索・見方」
講師:工藤 高裕 (大阪大学蛋白質研究所)
講演資料 (pdf 17MB) -
11:20 - 12:20 「万見(Yorodumi)で3次元構造を眺める」
講師:鈴木 博文 (大阪大学蛋白質研究所)
講演資料 (pdf 13MB) -
13:10 - 14:10 「SEALAの利用法」
講師:藤 博幸 (産総研・生命情報工学センター)
- 講演資料 (pdf 1.4MB)
- データ:
-
14:20 - 15:50 「PDBデータの読み解き方:mmCIFとPDBML」
講師:金城 玲 (大阪大学蛋白質研究所)
講演資料 (pdf 1.7MB) -
16:00 - 16:50 「クラウドコンピューティング、仮想化技術と生体高分子NMRデータベースの利用法 」
講師:小林 直宏 (大阪大学蛋白質研究所)
講演資料 (pdf 4.4MB)

これまでにない完全なHIVカプシド構造がPDBで公開されました
これまでにない完全なHIVカプシド構造が2つ、 今週の Nature(Vol.497) に掲載され、この構造はPDB(wwpdb.org)からも公開されています。 この成果は、構造生物学の分野において大幅な進歩であり、PDBにとっての節目でもあります。
これらの構造は、電子顕微鏡データに基づいたモデルで、分子動力学可動性フィッティング方法を使用しています。 タンパク鎖の数は3J3Qで1356本、3J3Yでは1176本になり、原子の数ではそれぞれ200万を超えます。 HIVカプシドはタンパク質でできた殻で、カプシドの中にあるウイルスのRNAゲノムを保護します。 完全なカプシドの構造を知ることは重要な研究テーマですが、分子サイズが非常に大きく、多様な形態を取ることから容易に構造の決定することができませんでした。
wwPDBでは、さらに大きく複雑で、PDBフォーマットの制限を超えるような構造が今後も登録されることを見込んでいます。 これらカプシド構造は、最近のニュースでお知らせした 「大きな構造の登録と公開の方法について」に従って編集されています。 今後このようにPDBフォーマットの制限を超える大きな構造についても、1つのPDBx/mmCIF、 PDBML/XMLファイルとして登録、編集、公開を行います。
完全なカプシド構造のデータは、米国、欧州、日本のPDBアーカイブftpサイトからダウンロードできます。
- 米国
-
ftp://ftp.wwpdb.org/pub/pdb/data/large_structures/mmCIF/3j3q.cif.gz
ftp://ftp.wwpdb.org/pub/pdb/data/large_structures/XML/3j3q.xml.gz
ftp://ftp.wwpdb.org/pub/pdb/data/large_structures/mmCIF/3j3y.cif.gz
ftp://ftp.wwpdb.org/pub/pdb/data/large_structures/XML/3j3y.xml.gz
ftp://ftp.wwpdb.org/pub/emdb/structures/EMD-5639/map/emd_5639.map.gz
- 欧州
-
ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/databases/pdb/data/large_structures/mmCIF/3j3q.cif.gz
ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/databases/pdb/data/large_structures/XML/3j3q.xml.gz
ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/databases/pdb/data/large_structures/mmCIF/3j3y.cif.gz
ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/databases/pdb/data/large_structures/XML/3j3y.xml.gz
ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/databases/emdb/structures/EMD-5639/map/emd_5639.map.gz
- 日本
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ftp://ftp.pdbj.org/pub/pdb/data/large_structures/mmCIF/3j3q.cif.gz
ftp://ftp.pdbj.org/pub/pdb/data/large_structures/XML/3j3q.xml.gz
ftp://ftp.pdbj.org/pub/pdb/data/large_structures/mmCIF/3j3y.cif.gz
ftp://ftp.pdbj.org/pub/pdb/data/large_structures/XML/3j3y.xml.gz
ftp://ftp.pdbj.org/pub/emdb/structures/EMD-5639/map/emd_5639.map.gz
参考文献
Mature HIV-1 capsid structure by cryo-electron microscopy and all-atom molecular dynamics.
Gongpu Zhao, Juan R. Perilla, Ernest L. Yufenyuy, Xin Meng, Bo Chen, Jiying Ning, Jinwoo Ahn, Angela M. Gronenborn, Klaus Schulten, Christopher Aiken, & Peijun Zhang,
Nature 497, 643-646 (2013) DOI: 10.1038/nature12162
関連エントリー
EMDB entry EMD-5639 is the cryo-electron tomography reconstruction from which 3J3Q and 3J3Y were generated; related entry 3J34, derived from an 8.6 Ångström reconstruction of a capsid hexameric subunit in a helical assembly (EMD-5582), was used in the construction of both 3J3Q and 3J3Y. These entries can be accessed and analysed through the websites of the wwPDB partners in Europe (pdbe.org), the USA (rcsb.org) and Japan (pdbj.org).
大きな構造を含むPDBエントリーの登録・公開が新しくなります
PDBの登録数はますます増加し、この中にはさらに大きく複雑な構造や、また複数の実験手法で決定した構造も含まれています。 こういったPDB登録の難題に対応するために、 wwPDBパートナー(wwPDB: http://wwpdb.org/)は、 PDBエントリーの登録と編集を行うための、全く新しいシステムを開発中です。
この新しいシステムは、2014年初期に、全てのwwPDB登録拠点で完全に稼働し始めます。 これによって、回折、NMR、EM(電子顕微鏡)手法によって決定した、どのような大きさの構造の登録でも扱えるようになります。 大きな構造は、完全なまま処理された後、公開されますので、分割エントリーは過去のものになります。
詳細は、wwPDBニュースをご覧ください。