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PDBのエントリー数が10万件を突破しました

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PDBのエントリー数が10万件を突破しました

PDB Reaches a New Milestone: 100,000+ Entries
今週、歴史的な記録を迎えるにあたり、これまでのニュースもご覧ください。 (PDB の構築初期の登録構造次世代ツールの開始
Depositor sticker
PDBへ構造を登録された方へ:この画像をダウンロードして、登録した構造の数を記載してください。

蛋白質構造データバンク(PDB)について

wwPDB organization

図 1: PDBのローカルアーカイブ
 RCSB(米国)、PDBe(英国)、PDBj (日本)

PDBは、蛋白質、核酸等の生体高分子立体構造データを集めたデータベースとして、1971年に米国で創設されました。 2003年には英国(欧州)と日本(アジア)が加わり、日米欧3極、4つのデータセンターで、全世界の研究者が明らかにした蛋白質構造のデータを登録・管理・運営し、無償で公開する体制が整えられました。 登録データ数の飛躍的な増加とともに、生命科学の研究や創薬開発のための情報源として、着実にその重要性を深めています。 Protein Data Bank Japan (PDBj) は、PDBのアジア地域アーカイブとして、全世界の総登録数の1/4の登録処理を行っています。

データバンクの設立と発展

1950年代に、科学者は初めて、X線結晶解析によって原子レベルで蛋白質やDNAの立体構造を解析し始め、これら初期の構造解析が構造生物学の新たな時代を切り開きました。 解析されたデータを蓄積し共有することの重要性は明白であり、米国と英国を中心とする国際的な連携によって運営される蛋白質構造データバンク(PDB)が1971年に設立されました。

PDBに登録された初期の構造には、ノーベル賞受賞者であるジョン・ケンドリューとマックス・ペルーツ両博士によって1958年に解かれたミオグロビンと酸素が結合した構造もあります。 本日5月14日に、PDBには219個の構造エントリーが新たに追加され、PDBから公開されている全エントリー数は100,147件となりました。 これらの構造は他のデータとともに創薬、情報生物学とその教育に極めて重要な役割を果たすこととなります。

PDBは急速に発展し、2008年以降、2倍の規模に成長しており、毎週200以上の構造を新たに科学の分野へ公開しています。 このデータベースには、異なる蛋白質が互いにどう関係しているのかを突き止め、生物学的なメカニズムを明らかにし、さらには新薬を開発する、という目的を持った研究者や学生、教育に携わる方々からの数億ものアクセスが毎年あります。

ノーベル賞受賞者である英国ケンブリッジのMRC分子生物学研究所のヴェンキ・ラマクリシュナン博士は、「PDBは、遺伝学者から創薬ターゲットを求めている製薬会社まで、全ての科学者の国際的なコミュニティーに対する決定的に重要な情報資源である」と言っています。

発足当初からPDBは研究者コミュニティーによって運営されるデータバンクであり、生物学研究への国際的に重要な情報資源として運営されてきました。 2003年以降は、米国、英国、日本の3極による国際的組織(wwPDB: Worldwide PDB)として、その品質を保持しつつ貴重なデータを蓄積・管理し、世界の科学者に無償で公開し続けてきました。 wwPDBのメンバーは、登録と編集の方針やデータの表示に関する問題、またデータ検証の基準等について、専門家たちと緊密に連携し運営を行っております。 加えて、wwPDBはより広い分野の科学者に対する構造生命科学の振興にも寄与してきました。

データバンクに登録される構造は、それぞれ公開前にwwPDBのスタッフによって注意深く検証されます。 新たに登録されたデータは精査され、付加価値の高いアノテーションにより信頼性が高められ、また他の重要な生物学データとクロスリンクされて関係付けられ、広い分野において様々な研究の背景や目的を有するユーザーの目にとまり易くなるよう整備されます。

今後の挑戦

科学コミュニティーでは、次なる10万件の構造と、それら新しいデータがもたらす貴重な知識が強く期待されています。 しかしながら、PDBに登録される構造の数、大きさ、また生物学的データの複雑さが増すとともに、生物学的に関連のある分子のかたちを決定づける様々な生物物理学的、生物化学的テクニック、またモデリングの技術を必要とする、ハイブリッドな構造決定法が産み出され、構造データの表現や管理に対する大きな挑戦となっています。 wwPDBは科学コミュニティーと協力しながら、これらの問題に対峙し続け、できる限りその品質、信頼性、持続性の標準を高く保つことを保証いたします。

wwPDBについて

wwPDB (http://wwpdb.org) はPDBアーカイブを運営する4つのデータセンターによる国際的パートナーシップであり、そのミッションは、生体高分子を無償で全世界に公開する生体高分子のシングルアーカイブを維持することです。 米国では、ニュージャージー州のラトガース大学に在を置くthe Research Collaboratory for Structural Bioinformatics Protein Data Bank (RCSB-PDB; http://rcsb.org)と、NMR実験データを専門に処理するグループとして米国ウィスコンシン大学にあるBioMagResBank (BMRB; http://bmrb.wisc.edu) 、カリフォルニア州サンディエゴ大学にあるthe San Diego Supercomputer Center (SDSC) 、Skaggs School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciencesが協力し、欧州ではEMBL-EBIにあるthe Protein Data Bank in Europe (PDBe; http://pdbe.org)、日本では大阪大学蛋白質研究所にあるthe Protein Data Bank Japan (PDBj; http://pdbj.org)によって、wwPDB が構成されています。

これらの地域アーカイブは、下記の通り多くの機関より支援を受け運営されています。

RCSB : 米国国立科学財団、米国国立衛生研究所、米国エネルギー省
BMRB : 米国国立医学図書館
PDBe : 欧州分子生物学研究所、Wellcome Trust、米国国立衛生研究所、欧州連合、英国科学技術振興機構、英国医学研究評議会
PDBj : 日本科学技術振興機構

Contact

wwPDB: The Worldwide Protein Data Bank (wwPDB), info@wwpdb.org

US: Christine Zardecki, RCSB Protein Data Bank, Rutgers, The State University of New Jersey; 848 445 0103, infoatmarkrcsb.org

UK: Gary Battle, Protein Data Bank in Europe, European Bioinformatics Institute (EMBL-EBI), Cambridge (UK); +44 1223 49-4654, battleatmarkebi.ac.uk

Japan: Nahoko Haruki, Protein Data Bank Japan, Institute for Protein Research, Osaka University; +81 6 6879 4311, nahokohatmarkprotein.osaka-u.ac.jp

Number of structures available in the PDB per year through May 14, 2014

図 2: PDBに登録された多様で複雑な生体高分子の構造(1~8)とデータ数の推移

構造の例  1. ミオグロビン (PDB ID: 1mbn)、 2. 酵素類 (上: 4pti, 右下: 2cha, 左下: 3cpa)、 3. 転移RNA (6tna)、 4. ウイルス (4rhv)、 5. 抗体 (1igt)、 6. 蛋白質-DNA複合体 (上より下に、1j59, 1tro, 2bop, 1aoi)、 7. リボソーム (1fjg, 1fka, 1ffk), 8. シャペロン (1aon).

Figure references
Myoglobin (PDB ID 1mbn): J. C. Kendrew, G. Bodo, H. M. Dintzis, R. G. Parrish, H. Wyckoff, D. C. Phillips. (1958) A three-dimensional model of the myoglobin molecule obtained by x-ray analysis. Nature 181: 662-666; J. C. Kendrew, R. E. Dickerson, B. E. Strandberg, R. G. Hart, D. R. Davies, D. C. Phillips, V. C. Shore. (1960) Structure of myoglobin: A three-dimensional Fourier synthesis at 2 A. resolution. Nature 185: 422-427; Enzymes (top, 4pti): M. Marquart, Walter, J., Deisenhofer, J., Bode, W., Huber, R. (1983) The geometry of the reactive site and of the peptide groups in trypsin, trypsinogen and its complexes with inhibitors. Acta Crystallogr B39: 480; (bottom left: 3cpa): D. W. Christianson, W. N. Lipscomb. (1986) X-ray crystallographic investigation of substrate binding to carboxypeptidase A at subzero temperature. Proc Natl Acad Sci U S A 83: 7568-7572; (bottom right: 2cha):J. J. Birktoft, D. M. Blow. (1972) Structure of crystalline alpha-chymotrypsin. V. The atomic structure of tosyl-alpha-chymotrypsin at 2 Å resolution. J Mol Biol 68: 187-240; tRNA (6tna): J. L. Sussman, S. R. Holbrook, R. W. Warrant, G. M. Church, S.-H. Kim. (1978) Crystal structure of yeast phenylalanine transfer RNA. I. Crystallographic refinement. J. Mol. Biol. 123: 607-630; Virus (4rhv): E. Arnold, M. G. Rossmann. (1988) The use of molecular-replacement phases for the refinement of the human rhinovirus 14 structure. Acta Crystallogr A 44 (Pt 3): 270-282; Antibody (1igt): L. J. Harris, S. B. Larson, K. W. Hasel, A. McPherson. (1997) Refined structure of an intact IgG2a monoclonal antibody. Biochemistry 36: 1581-1597; Protein-DNA complexes, top to bottom (1j59): G. Parkinson, C. Wilson, A. Gunasekera, Y. W. Ebright, R. E. Ebright, H. M. Berman. (1996) Structure of the CAP-DNA complex at 2.5 Å resolution: a complete picture of the protein-DNA interface. J. Mol. Biol. 260: 395-408; (1tro): Z. Otwinowski, R. W. Schevitz, R.-G. Zhang, C. L. Lawson, A. Joachimiak, R. Q. Marmorstein, B. F. Luisi, P. B. Sigler. (1988) Crystal structure of trp repressor/operator complex at atomic resolution. Nature 335: 321-329; (2bop): R. S. Hegde, S. R. Grossman, L. A. Laimins, P. B. Sigler. (1992) Crystal structure at 1.7 Å of the bovine papillomavirus-1 E2 DNA-binding domain bound to its DNA target. Nature 359: 505-512; (1aoi): K. Luger, A. W. Mader, R. K. Richmond, D. F. Sargent, T. J. Richmond. (1997) Crystal structure of the nucleosome core particle at 2.8Å resolution. Nature 389: 251-260; Ribosome (1fjg): A. P. Carter, W. M. Clemons, D. E. Brodersen, R. J. Morgan-Warren, B. T. Wimberly, V. Ramakrishnan. (2000) Functional insights from the structure of the 30S ribosomal subunit and its interactions with antibiotics. Nature 407: 340-348; (1fka): F. Schluenzen, A. Tocilj, R. Zarivach, J. Harms, M. Gluehmann, D. Janell, A. Bashan, H. Bartels, I. Agmon, F. Franceschi, A. Yonath. (2000) Structure of functionally activated small ribosomal subunit at 3.3 Å resolution. Cell 102: 615-623; (1ffk): N. Ban, P. Nissen, J. Hansen, P. B. Moore, T. A. Steitz. (2000) The complete atomic structure of the large ribosomal subunit at a 2.4 Å resolution. Science 289: 905-920; Chaperone (1aon): Z. Xu, A. L. Horwich, P. B. Sigler. (1997) The crystal structure of the asymmetric GroEL-GroES-(ADP)7 chaperonin complex. Nature 388: 741-750.

[ wwPDB ニュース ]


作成日: 2014-05-14 (最終更新日: more than 1 year ago)2014-05-14

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