GIRAF
GIRAF は2019年4月30日をもってサービス提供を終了しました。長らくのご利用ありがとうございました。
[The URL]
[GIRAFの紹介]
GIRAFはリガンド結合部位の類似度を検索するサービスです。 PDB IDまたはPDBフォーマットファイルをアップロードして条件指定を行います。 GIRAFは、指定した構造(クエリ)の部分構造に似た既知のリガンド結合部位をPDBデータベースから検索します。
[GIRAF検索の実行方法]
条件指定
条件となる構造(クエリ)の指定方法は2つあります。
- PDB IDによる指定
- PDBフォーマットファイルをアップロードして条件指定
検索対象を特定の蛋白質サブユニットに限定する(オプション)
任意で、特定の鎖だけを対象として検索を行うために鎖IDを指定することができます。 初期状態では「all」が入力されていますが、これは全ての蛋白質鎖(但しアミノ酸残基数が25以上のもののみ)を対象とすることを意味します。 鎖IDはPDBフォーマットファイルに存在するものである必要があります(鎖IDはmmCIFやPDBMLファイルの auth_asym_id に記載されています)。 複数の鎖IDを指定するときは、それぞれのIDをコンマで区切って下さい(空白は入れないで下さい)。
電子メール通知(オプション)
GIRAF検索の結果を電子メールで通知するには電子メールアドレスを入力して下さい。
検索を実行する
条件を指定し、 submit ボタンをクリックすると、まだ何も結果が表示されていない結果ページが表示されます。 通常検索結果が出るまでに10分〜30分かかりますが、大きな蛋白質を指定した場合はこれ以上かかることもあります。 電子メールアドレスを指定した場合、結果が完成したら電子メールが送信されます。 電子メールアドレスを指定しなかった場合は、結果ページをブックマークに登録して後ほど見てみるのがいいでしょう。
[GIRAF検索結果の調べ方]
GIRAF検索が完成すると、結果ページには条件に合致した分子の一覧表が表示されます。 結果ページは1週間後に削除されます。
表には下記の列があります。
- rank(順位)
-
標準化したGIRAFスコア( score )で見たヒット順を示します。
- PDB
-
条件に合致した分子のPDB ID。
- align(構造比較結果)
-
構造重ね合わせを行った結果のページへのリンク。
- motif(モチーフ)
-
対応する構造モチーフの概要ページへのリンク。構造モチーフは金城と中村によって記述されたものです( Structure に)
- ligand(リガンド)
-
PDBデータにおける、高分子以外の化学的構成要素のID。 25アミノ酸残基未満のポリペプチド、DNA(ポリデオキシリボヌクレオチド)、RNA(ポリリボヌクレオチド)、糖などが該当します。 PDBe (旧名 MSD)の MSDChem データベースにリンクしています(高分子を除く)。
- protein(蛋白質)
-
PDBエントリーに関する記述。
- score(スコア)
-
標準化した GIRAF スコア。鋳型の結合部位の 逆文書出現頻度 (inverse document frequency、IDF)によって計算された未加工のGIRAFスコアです。
- P-value(P値)
-
偶然ヒットしてしまった可能性を示す数値。
- RMSD
-
対応する各原子間距離の二乗平均平方根偏差。
- Nali
-
比較した原子ペアの数。
結果の並べ替え
メニューバーから score、P-value、PDB ID、ligand (chemical component ID)、RMSD、Nali のいずれかのキーを選択し、 submit ボタンをクリックすることにより、指定したキーで結果を並べ替えることができます。
全部のヒットを調べる
初期設定では、代表のリガンド結合部位だけが結果ページに表示されます。 全てのヒット結果を見たい時は、 all hits のチェックをONにして、 submit ボタンをクリックして下さい。
結果ページは条件にあったリガンド結合部位一覧を含むXMLファイルです。 XMLの処理に詳しいなら、結果をファイルに保存し、自分で作ったプログラムで処理し、更なる研究に使って下さい。 あるいは、結果ページをHTML形式に変換して自分のコンピュータに保存することもできます。
[構造比較ページの利用方法]
結果ページの align 列にある show リンクをたどると、リガンド結合部位を視覚的に調べたり、リガンドを指定した構造に重ね合わせたりすることができるページが表示されます。このページは jV アップレットを用いています。 指定構造と鋳型リガンド結合部位との原子間距離も表に表示されます。
PDBMLファイルによる構造比較ページ
構造比較(アライメント)ページはPDBML-extatom形式(PDBMLの原子座標以外を記載したもの)の上位互換のあるXMLです。 そのため、構造比較ページをXML形式ファイルとして自分のコンピュータに保存し、jVを使って詳しく重なり具合を調べることができます。 構造比較ページには変換されたリガンド結合部位だけが含まれるため、実際に重ね合わせ結果を見るには、条件として指定した構造に加え構造比較結果ページの情報を合わせて追加読み込みする必要があることに注意して下さい。
[利用例]
- Interface type
-
以下の中から検索対象とするリガンドの種類を選択します。
- nonpolymer binding:非ポリマーのリガンドを対象
- DNA and RNA binding:DNA、RNAのリガンドを対象
- all types of ligands:全種リガンド分子を対象(非ポリマー、DNA・RNA、ペプチドなど全てを含む)
- PPI (protein-protein interfaces):蛋白質同士の相互作用を対象
- all (ligands + PPI):全種リガンド分子および蛋白質同士の相互作用を対象
ここでは3つ目の「all types of ligands」を選択しています。
- Input PDB ID / upload a PDB file
-
PDB IDまたはPDBファイルで元となる構造データを指定します。 ここでは「1nn2」を指定しています。
- Chain IDs (optional)
-
鎖IDを指定して元となる構造データを限定できます。既定値の「all」を指定すると全ての鎖を対象とします。アルファベットを入力すると、入力した鎖IDのみが対象となります。鎖IDはコンマで区切り複数指定することができます。 ここでは「A」鎖を指定しています。
- Limit target PDB entries (optional)
-
検索するPDB IDを限定できます。既定値の「all」を指定すると全てのPDB IDが対象となります。PDB IDはコンマで区切り複数指定することができます。 ここでは既定値(all)のまま全PDB IDを検索対象としています。
- Your email address (optional)
-
結果の計算にはしばらく時間がかかります。 結果計算が完了するとそのことを通知する電子メールを送信するよう設定することができます。その場合、この欄に通知を受けたいメールアドレスを入力します。 何も指定しない場合は、submitすると表示される結果概要ページを時々再読込して結果ページができたか確認することになります。
submitボタンをクリックして検索を開始すると、 結果計算がまだ完了していないことを示す以下のようなページが表示されます。
電子メールアドレスを指定なかった場合は、このページを時々再読込して、結果ができるのをお待ち下さい。
結果ができあがると次のような結果一覧ページが表示されるようになります。
「Detail」をクリックすると、その結果の詳細が表示されます。 最初に jV アプレット起動のため、次のような署名確認ダイアログが表示されます。「信頼」をクリックして下さい(環境によっては「実行」など)。
すると、次のような結果ページが表示されます。
[参照文献]
- Similarity search for local protein structures at atomic resolution by exploiting a
database management system.
Kinjo, A.R.; Nakamura, H. BIOPHYSICS 3 :75-84 (2007). - Comprehensive structural classification of ligand binding motifs in proteins.
Kinjo, A.R.; Nakamura, H. Structure (in press) (preprint available at http://arxiv.org/abs/0810.1327 )