[wwPDB] PDBx/mmCIFフォーマットと拡張PDB IDへの移行について
wwPDBは、全てののユーザーが拡張PDB IDフォーマットを採用し、 PDBx/mmCIFファイルフォーマットにできるだけ早く移行することを強く推奨します。 これには、ソフトウェアに変更を加えることや、あらゆるコミュニケーションにおいて完全な12文字のIDでPDBエントリーを参照すること、 そして周囲のユーザにも同様に対応するよう奨励することが含まれます。
拡張PDB IDへの移行について
PDBアーカイブの拡大が続く中、4文字のPDBアクセッションコード(PDB ID)は2028年までに全て割り当て済みになる見込みです。 アーカイブの拡大をサポートするため、wwPDBはPDB IDの長さを 「pdb_」接頭辞を含む12桁の英数字に拡張しました (例えば、「1abc 」は 「pdb_00001abc 」となり、大文字と小文字は区別されません)。 ユーザーまたはジャーナルは、接頭辞 「pdb_」を使用してPDB IDを解析/認識できるようになります。 拡張PDB IDには接頭辞とゼロを含める必要があります。
4文字のPDB IDが全て割り当て済みになると、新規エントリーには拡張PDB IDのみが付与されます。 つまり従来のPDBファイル形式のファイルは提供されません。
移行計画や、ファイルの例、FAQなどの詳細は、wwPDBサイト( wwPDB: Extended PDB ID With 12 Characters) をご覧ください。
ユーザーは、PDBx/mmCIFフォーマット構造ファイルのデータ項目 _database_2.pdbx_database_accession を使用して、 即座に全てのPDBエントリーに拡張PDB IDを採用することができます。
例
loop_ _database_2.database_id _database_2.database_code _database_2.pdbx_database_accession _database_2.pdbx_DOI PDB 2HYV pdb_00002hyv 10.2210/pdb2hyv/pdb WWPDB D_1000038924 ? ?
新しいPDB DOIフォーマット
4文字のPDB IDが発行された既存のPDBエントリーはすべて、 対応する10.2210/pdb[4-character_PDB_ID]/pdbという形式のDOIを持っており、 wwPDBのDOIランディングページが存在します。 例えば、PDBエントリー8y9m(pdb_00008y9m)のDOIは https://doi.org/10.2210/pdb8y9m/pdb です。このDOIは今後も変更されることはありません。
4文字のPDB IDがすべて使い切られると、新規のPDBエントリーには拡張PDB IDが発行され、 対応するwwPDBのDOIランディングページに紐づく新しいDOIが、10.2210/[Extended_PDB_ID]/pdbの形式で発行されます。 例えば、PDBエントリー 「pdb_10001xyz 」のDOIは https://doi.org/10.2210/pdb_10001xyz/pdb となります。
PDBx/mmCIFフォーマットへの移行について
拡張PDB IDとPDBx/mmCIFファイルフォーマットの採用を支援するため、wwPDBは、 mmCIFユーザーガイドや、 mmCIFパーサーやCIFエディターなどの ソフトウェアリソースを提供しています。
さらに、wwPDBは、拡張PDB ID(ファイル名、ディレクトリ名、データブロック名を含む)ごとに整理されたベータ版のPDBアーカイブを2026年初頭に提供する予定です。 現在のPDBアーカイブは、座標、実験データ、集合体、検証レポートなど、データの種類ごとにデータファイルを分類しています。
ベータ版PDBアーカイブの主な変更点は、 PDBバージョンアーカイブ と同じファイル構成に従って、エントリーレベルのファイルディレクトリを再編成することです。 言い換えれば、エントリーに関連する全てのデータファイルは、2文字のハッシュを持つPDB ID(拡張PDB ID)の下にまとめられます。 ベータ版PDBアーカイブのファイル構成については、今年後半にwwPDB.orgやコミュニティ掲示板でアナウンスされますので、そちらをご覧ください。
wwPDBは、2026年末までに、これらの変更点すべてを完全に採用することをユーザーに推奨します。 早期の採用は、科学コミュニティ全体における三次元生物構造データの長期的な持続可能性と相互運用性に貢献します。
特に、学術雑誌は拡張PDB IDフォーマットの採用(本文、表、データ利用可能性ステートメント(DAS))、 掲載論文に含まれるPDB IDのCrossRef経由のwwPDB DOIランディングページへのリンクの更新、 掲載論文からリンクされているソフトウェアツール(例えば、3D可視化のためのFirstGlanceやJsmol)が 拡張PDB IDやPDBx/mmCIFをサポートしているかどうかの検証を始めてください。
ご質問やご不明な点がございましたら、info@wwpdb.org まで、英語でお気軽にお問い合わせください。 構造データへのアクセシビリティを向上させるため、皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。
拡張PDB IDの例
[ wwPDB News ]






