[wwPDB] wwPDBの定款を更新し,RDFを公式フォーマットの一つと定義しました
国際蛋白質データバンク(wwPDB)は、国際分業でPDBデータの登録、データ処理、配布を行う組織です。 2003年にRCSB PDB(米国)、PDBe(欧州)、PDBj(日本)の3団体が設立し、NMRデータのアーカイブキーパーとしてBMRB(米国)が2006年に加わりました。 これまでのwwPDBの定款(Charter)は2013年に合意したもので、幾つか現状にそぐわない点がでていました。そこでこの度、新しい定款(Charter)を作成し、 2021年1月に合意しました。この定款では古い物に比べて幾つもの点が具体に記載されていますが、特に以下の点が注目されます。
・電子顕微鏡構造解析(3DEM)によるマップやトモグラムのアーカイブキーパーとしてElectron Microscopy Data Bank (EMDB)をwwPDBの正メンバーに迎え入れました。
・wwPDBに准メンバーというカテゴリーを作り、新しい国や地域がwwPDBに参加するルールを明文化しました。
・PDBアーカイブのフォーマット規定を作り、PDBx/mmCIFフォーマットをPrimary format、PDBML(XML)とRDFフォーマットを正式なSecondary formatと定めました。
今回の正式合意は、EMDBとwwPDBの長年の関係を正式なものとするものです。 EMDBは2002年に欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)のPDBeによって設立されました。 それ以来、EMDBとwwPDBはデータの登録、アノテーション、検証に関する問題で協力してきました。 2012年以降、EMDBのマップデータは、wwPDBアーカイブ(ftp://ftp.wwpdb.org または ftp://ftp.pdbj.org/pub/ (PDBjミラーサイト))の一部として配布されています。
今回の正式合意で准メンバーというカテゴリーが新設されたので、今後、中国とインドを念頭にwwPDBの新しい地域拠点を設置することが可能となりました。 近年特に、中国からのデータ登録数は増加の一途とたどり、PDBjでのデータ処理数の半数程度を占めるようになっています。 wwPDBの枠組みの中で中国に新しいwwPDBの拠点を設置するべく、PDBjの主導的な役割が期待されています。
今回の正式合意では、wwPDBが認める公式データフォーマットについて記載しました。 PDBx/mmCIFフォーマットがPrimary formatであることを正式に記載し、PDBML(XML)とRDFの2つのフォーマットを公式なSecondary formatに指定しました。 データベースの統合利用に優れたRDFフォーマットの作成と利用を推進してきたPDBjとしては大変重要な変更点です。 代わりに、古くて限界の多いPDBフォーマットは正式なフォーマットとして記載されていません。
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