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[wwPDB] 7月29日に糖鎖分子の表現を改善したPDBデータを公開します

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PDBエントリー内の糖鎖に関する新たなデータ表現方法と、高分子構造中における糖鎖の検索性と相互運用性を向上させることを目的とした参照データをPDBデータに組み込みます。PDBアーカイブにおける糖鎖表現を修正し改良するために、wwPDBでは以下のことを行いました。

  • IUPAC-IUBMB勧告にしたがい化合物辞書の命名法を標準化
  • オリゴ糖に対するばらつきのない表記法を提供
  • 糖鎖科学のコミュニティのツールを使い、このコミュニティで一般的に使われている線形記述法を採用
  • PDB構造における糖鎖修飾部位の説明を追加

改良されたデータには2020年7月29日よりFTPやwwPDBメンバーのウェブサイトからアクセスできます。 2020年2月のお知らせ(wwPDB news/PDBj news)でも強調したように、PDBデータの生成、アクセス、視覚化を行うソフトウェアパッケージの開発者には、できるだけ早くこの情報を確認しソフトウェアに反映することを推奨します。 このプロジェクトに関する詳細な情報はwwPDBのウェブサイトで確認できます。 影響を受けるエントリーと化合物の一覧は、データを公開する7月29日以降先述のページにて掲載します。

wwPDBでは多糖用として新たに「Branched」(分岐した)というエンティティ表現をつくり、多糖に含まれる個々の単糖要素すべてをPDBエントリーのデータに記述しました。この過程で化合物辞書(CCD)にある1000を超える単糖の原子命名法を標準化し、8000を超えるPDBエントリーにおいて分岐エンティティ表現をオリゴ糖に適用しました。影響を受けるPDBエントリーにおけるオリゴ糖の表記を明確なものにするため、オリゴ糖を構成する各単糖単位間の共有結合を明確に示した記述を含めています。さらに、wwPDB検証レポートでは、これらのオリゴ糖に関する一貫した表現と多糖記号命名法(SNFG)に基づく二次元表現図も記載しています。

糖鎖表現の修正を支援するため、線形記述法を提供するソフトウェアを糖鎖科学コミュニティと協力して開発し、PDBデータを糖鎖生物学者の間で一般的に用いられている別の表現法へと簡単に変換できるようにしました。 このツールには、米国ジョージア大学のGMMLからの短縮型IUPAC、日本の野口研究所のPDB2GlycanからのWURCS、ドイツのpdb-careからのLINUCSが含まれます。

さらに、一般的に用いられているオリゴ糖(例:sucrose(ショ糖), Lewis Y antigen(ルイスY抗原))118種について引き続きその名称で検索できるようにするため、BIRD(Biologically Interesting molecule Reference Dictionary:ペプチド様抗生物質・阻害剤分子の辞書)に共有結合情報と一般的な別名を追加しました。

wwPDBは、この機会を利用して、新しいデータカテゴリ_pdbx_chem_comp_synonymsを導入することにより、CCD内の化学的同義語の体系を改善しています。 これにより、PDB内の低分子の代替名称をより包括的にとらえることが可能になります。 ユーザーへの影響を最小限に抑えるために、移行期間をもうけ、2021年の間はレガシーデータ項目_chem_comp.pdbx_synonymsも保持されます。

糖鎖表現改良プロジェクトは、ニュージャージー州立ラトガース大学のRCSB PDBが主導して実施するwwPDBの共同プロジェクトであり、 ジョージア大学の複合糖質研究センターと共同でNIGMS助成金U01 CA221216から資金提供を受けています。

この変更に関するご質問などございましたら、wwPDBの糖鎖表現の改善に関するウェブページ をご覧頂くか、deposit-help@mail.wwpdb.orgまで、英語でお問合せください。

[ wwPDB News ]


作成日: 2020-07-09 (最終更新日: more than 1 year ago)2020-09-01

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件を2024-04-24に公開中

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