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2018年に、米国保健福祉省(U.S. Department of Health and Human Services)の研究公正局(Office of Research Integrity, ORI)は、 H.M. Krishna Murthy事件の最終的な調査で、研究不正行為があったと発表しました。 Murthy氏は、10件の研究論文と、それらに対応する12件のPDB構造において、偽造及び/又は捏造した研究を報告したことが判明しました 。 研究公正局がこの問題で証拠を集めて評価している間に、 Murthy氏の5件のPDB構造は、4件の研究論文の撤回に対応するwwPDBの方針に従って、すでに廃止(obsolete)されました。 2018年4月23日に受け取ったORIからの正式な要請に応じて、Murthy氏の残りの7つのPDB構造は、wwPDBの方針に従って再び廃止されました。 ORIの調査は、研究上の不正行為で非難された個人に対し、適正な手続きを行うことを目的としており、厳格な機密保持が維持されています。 研究不正行為の調査結果だけが公表されています。

2009年12月に、アラバマ大学バーミンガム校(UAB)は、 当時、研究責任者(PI)とUAB雇用者という立場で発表した、H.M. Krishna Murthy氏のPDBエントリー12件と 10件の関連出版物を取り下げる予定であることを発表しました。 UABの要請に応じてwwPDBがレビューを行い、wwPDBの方針に従って、構造のうちの5つは、関連する文献の撤回時に廃止されました。 UABの要請に応じてwwPDBがレビューを行い、wwPDBの方針に従って、残りの7件の構造は、ORIからの要請を受けた際に廃止されました。

この事件の詳細なPDBの経緯は、wwPDBサイトをご覧ください。 .

構造の検証と、アーカイブデータのリソースとしてのPDBの役割

PDBは、構造モデルとその関連実験データを保存し、アノテーションを行い、配布するアーカイブリソースです。 wwPDBは、X線(2008年)、NMR(2009年)及び、Cryo-EM(2010年)(EMDataBankと協力)に対して、 検証に関する専門委員会(Validation Task Forces)を招集し、 構造が登録された際に、構造(モデル構造、実験データ、モデルとデータの適合)を検証する際に使用する最も適切な評価基準について、助言を行っています。 検証に関する専門家委員会の提言は、PDB構造の登録、アノテーション及び検証を行う、wwPDBのOneDepシステムの一部に取り入れられてきました。

wwPDBの検証手続きの結果は、検証レポートに取り込まれます。 このレポートは、登録者に提供され、対応する論文が投稿される際に登録者から学術誌にも提出されます。 このような報告書が利用できることで、構造的データの信頼性の評価や、学術誌の編集者と査読者によるその解釈が、同じように非常に容易になっています。 wwPDBは、生体高分子の構造データを扱う学術誌に、投稿論文と一緒にwwPDBの検証レポートの提出を求めるよう、要請しています。 wwPDBパートナーの継続的な使命は、国際的な構造生物学コミュニティの支援を受けて、構造アーカイブを完全に守り、品質を向上させることです。

以下の文献もご覧ください。

  • Case Summary: Murthy, Krishna H.M. (2018) US Department of Health and Human Services, The Office of Research Integrity
  • Findings of Research Misconduct Notice 2018-07782 (2018) Federal Register 83: 16370
  • Berman, H. M., G. J. Kleywegt, H. Nakamura, J. L. Markley and S. K. Burley (2010). "Safeguarding the integrity of protein archive." Nature 463(7280): 425 doi: 10.1038/463425c.
  • Baker, E. N., Z. Dauter, H. Einspahr and M. S. Weiss (2010). "In defence of our science--validation now!" Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 66(Pt 2): 115 doi: 10.1107/S1744309110001326

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2018-05-10 (last edited: 6 months ago)2018-05-10
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