PDBアーカイブのX線結晶構造に対して、wwPDBの検証レポートが更新され、ご利用頂けるようになりました。
PDBアーカイブのX線結晶構造に対して、wwPDBの検証レポートが更新され、ご利用頂けるようになりました。
2016年3月9日から、PDBアーカイブの全てのX線結晶構造に対して、検証レポートが更新され、ご利用頂けるようになりました。
新しいレポートでは、以下の点が更新されています。
- 統計グラフには、2015年12月30日時点での、PDBアーカイブの構造情報が反映されています。
- 新しいバージョンのソフトウェアを使用しています。
- CCP4 V6.5 (Refmac 5.8.0135)
- Mogul 2015 (CSD archive as536be)
- リガンド幾何学のMogul解析の方法が改良されています。
- 高分子鎖の品質を表すために、より明確なグラフィック要素を使用しています。
- 検証レポートのテキストが見易いよう改善されています。
- ユーザガイ ドとFAQが更新されています。
更新版の検証レポートは、以下のFTPサイトからご利用頂けます。
- ftp://ftp.wwpdb.org/pub/pdb/validation_reports/ (wwPDB)
- ftp://ftp.rcsb.org/pub/pdb/validation_reports/ (RCSB PDB)
- ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/databases/pdb/validation_reports/ (PDBe)
- ftp://ftp.pdbj.org/pub/pdb/validation_reports/ (PDBj)
旧バージョンのアーカイブは、RCSB PDBとPDBjに納められています。
この更新されたレポートでは、X線結晶構造の検証に関する専門委員会(Validation Task Force)の 意見を取り入れ、 広く受け入れられている評価基準を使って、構造の品質が評価されます。 wwPDBパートナーは、学術誌の編集者や査読者に、論文の投稿・査読過程の中で、著者に検証レポートの提出を求めるよう、推奨しています。 レポートには、日付とwwPDBのロゴが表示されており、その構造がどこのwwPDB拠点で処理されたかにかかわらず、同じ情報が含まれています。 すでに、複数の学術誌 (eLife、 The Journal of Biological Chemistry、 the International Union of Crystallography (IUCr) journals、FEBS journals、the Journ al of Immunology) では、論文投稿の過程で、wwPDB検証レポートの提出が求めらます。
また、新しいwwPDB登録・アノテーションシステムでは、検証レポートが提供されます。 登録者は、データを登録する過程で、レポートの内容を確認し、承認することが求められます。 今後は、X線、 NMR、 電子顕微鏡(EM) に対する検証の専門委員会(VTF)からの意見を取り入れ、 また、wwPDB登録・アノテーション(D&A)システムの開発を進め、 登録者やユーザからのフィードバックを集めるにつれて、 更に、検証レポートを開発し、改善する予定です。
X線結晶構造に対する従来のバージョンの検証レポートは、2013年8月から、登録構造のアノテーション過程で、登録者への提供が行われてきました 。 このレポートは、2014年3月に、初めて、一般に公開されました。
NMRや電子顕微鏡法を使って解析された構造に対しても、同様の検証レポートが、2016年5月にご利用頂けるようになります。
検証レポートについての詳細な情報とサンプルは、こちらでご覧頂けます。
検証レポートに対するコメントやご質問などは、validation@mail.wwpdb.orgまでお寄せくださ い。
[ wwPDB ニュ ース ]