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ニュース (2014年4月24日)

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PDBの構築と10万件への道のり

The Road to 100,000 Entries: Building a Community Resource

今週の更新で、PDBアーカイブのエントリー数は 99,624件に達し、まもなく100,000件を迎える見通しです。この節目を迎えるにあたり、今週、PDBの他の節目を振り返っています。

精力的な話し合いや討論、将来の計画立案を通じて、構造生物学の研究者たちが一団となり、1971年に、ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)1で、実験的に決定した生物学的高分子の構造のデータベースとして、PDBを設立しました。 今日、PDBアーカイブは、PDBデータの登録、編集、配布拠点として活動する唯一の共同体組織である、Worldwide Protein Data Bank (wwPDB)2によって運営されています。3 wwPDBは、国際社会に無料で公開された高分子構造データのPDBアーカイブを維持していくことを使命としています。4,5

この使命を支持するために、wwPDBは、アーカイブに依存する様々な社会と緊密に連携しています。 wwPDBは、実験手法ごとに特有の検証や登録、アノテーションの問題に関する助言を求め、X線NMR電子顕微鏡(3DEM)小角散乱(Small Angle Scattering)の分野で認めらた専門家を集め、専門委員会(タスクフォース)を招集しました。 専門家の推奨事項は、新登録・編集システムに不可欠な部分であるwwPDB検証パイプラインに組み込まれています。 最近、このパイプラインで作成された検証レポートが、アーカイブ中の全てのX線結晶構造に対して公開されました。NMRと電子顕微鏡構造に対するレポートは、今後公開される予定です。

PDBx/mmCIF作業チームを介して、wwPDBは、PDBの巨大構造や錯体化学、新しい混合実験手法の表現について、主要な高分子結晶構造解析ソフトウェアの開発者と協力して取り組んでいます。 巨大構造に対応するため、PDBx/mmCIFへの本質的な拡張についての提言が作成されました。現在、CCP4とPhenixでは、登録に適したPDBx/mmCIFファイルを生成できます。

X線結晶学、電子顕微鏡、NMR、バイオインフォマティクスの専門家から成る国際的な諮問委員会は、wwPDBへ助言を行い、毎年会合を開いています。

PDB40に参加した、過去と現在のPDBメンバー (Constance Brukin撮影) 参加者の氏名はwwPDBページをご覧ください

更に、wwPDBはシンポジウムや出版物を通して、より広い社会に働きかけています。注目すべきイベントの一つに、PDB誕生の地であるコールド・スプリング・ハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laboratory)で開かれた、Protein Data Bank の40周年を祝う2011年のシンポジウム (PDB40) があります。 多くの著名な講演者が、構造生物学の過去・現在・未来について語りました。このときの講演資料の一部は、オンラインでご覧いただけます。

最近、wwPDBは、世界結晶年を記念して、2014年のカレンダーを作成しました。このカレンダーは、PDFまたはPowerPointフォーマットでダウンロード頂けます

PDBアーカイブとwwPDB組織の発展と将来について述べた数多くの出版物には、例えば次のものがあります。
「How community has shaped the Protein Data Bank (Structure, 2013)」 「The future of the Protein Data Bank (Biopolymers, 2013)」 「Creating a Community Resource for Protein Science (Protein Science, 2012)」
完全なリストはこちらからご覧頂けます

  1. Protein Data Bank. (1971) Protein Data Bank. Nature New Biol. 233: 223.
  2. H. M. Berman, K. Henrick, H. Nakamura. (2003) Announcing the worldwide Protein Data Bank. Nat Struct Biol 10: 980.
  3. H. M. Berman, G. J. Kleywegt, H. Nakamura, J.L. Markley (2013) The future of the protein data bank. Biopolymers 99: 218-222.
  4. H. M. Berman, G. J. Kleywegt, H. Nakamura, J.L. Markley (2013) How community has shaped the Protein Data Bank. Structure 21: 1485-1491.
  5. H. M. Berman, G. J. Kleywegt, H. Nakamura, J.L. Markley (2012) The Protein Data Bank at 40: Reflecting on the Past to Prepare for the Future. Structure 20: 391-396.

[ wwPDB ニュース ]


作成日: 2014-05-02 (最終更新日: more than 1 year ago)2014-05-02

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