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構造の登録者、ならびに雑誌編集者や論文査読者を支援するため、wwPDBでは新たなX線構造検証レポートを発行します

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構造の登録者、ならびに雑誌編集者や論文査読者を支援するため、wwPDBでは新たなX線構造検証レポートを発行します

wwPDBの各メンバーより、新しい非常に有益なX線構造の検証レポートの提供が始まることをお知らせします。 このレポートは構造のアノテーション過程の一環として構造登録者に提供されるもので、登録者が登録構造の品質評価に使ったり、雑誌編集者や査読者が原稿を審査する上で役立てたりすることができます。

新レポートを作成する過程で行われる検証には多くの専門家の提言が取り入れられています [1,2]。 このレポートは、元々2014年公開予定のwwPDBの新登録・編集システムの一部として導入される予定でした。しかし、このレポートに関する最初のフィードバックは非常に肯定的であったため、先行して2013年8月1日から、PDBe、PDBj、RCSB PDBで登録される全てのX線構造に対して提供されることになりました。

PDBe(欧州蛋白質構造データバンク)代表のジェラルド・クライベクト(Gerard Kleywegt)氏は次のように述べています。 「構造登録の『入り口』での検証は、構造アーカイブの品質と整合性を高める上で非常に重要です。」 「X線結晶構造についてのwwPDBの新検証レポートは、モデル、実験データ、そしてこれらデータがモデルに適合するかを検証する上で研究者たちの豊富な経験に基づき作成されます。 新レポートはwwPDB各メンバーから提供されてきた従来のレポートに比べ格段に改善されています。 初期段階における構造登録者、アノテーションスタッフだけではなく一般ユーザからのフィードバックは非常に肯定的であり、実際このことが新レポートの提供開始を予定より大幅に早めるきっかけとなりました。 私たちは、雑誌編集者や査読者に、論文投稿や査読過程の一環として、この新レポートを登録者に要求することを強く推奨します。」

国際結晶学連合(IUCr)の雑誌に投稿する際、wwPDBの検証レポートを提供することは既に必須事項となっています。 我々はこの改良された新レポートの提供開始によって、投稿の際にwwPDBの検証レポート提出を義務化する雑誌が増えていってくれることを願っています。

新X線検証レポートは、2008年4月に始まったwwPDB X線検証タスクフォース(wwPDB X-ray Validation Task Force)[1,2]の勧告に従い準備が進められてきました。検証における一連の過程では、MolProbity、Xtriage、Mogul、EDS、CCP4プログラム群などのソフトウェアが試し検証された上で使用されています。 新レポートには、分子構造、構造因子、リガンドの検証結果も記載されています。また構造の品質について要約し、モデルの座標や回折データおよびその両者がうまく適合するかについて考慮して得られた懸念すべき事項についても特記しています。登録者や雑誌編集者、査読者を更に支援するため、既に登録されているモデルと比較した、品質に関する分かりやすい概要も提供されます。

この検証レポートは、wwPDBのアノテーションスタッフが登録構造の処理を完了した時、X線結晶構造の登録者に 送付されます。 今年の後半には、登録システムとは独立した検証レポートを生成するためのウェブサービスを公開する予定です。これを使うと登録に先だって検証レポートを確認することができます。 なお、レポートやオンライン文書はまだ開発中であることにご留意ください。つまり、まだ場合によっては新形式でのレポートが生成できない可能性があり(できるだけ早くこのようなケースがなくなるよう努めていますが)、レポートの内容やレイアウトが変更される場合がある、ということを意味します。しかし、新レポートを提供することによる利点はこれら問題点による短所を大きく上回ると我々は感じています。 2014年初旬には、既存の全PDBエントリーのうちX線結晶構造について、新検証レポートを作成する予定です。レポートはPDF形式に加え、基準に対する外れ値などの検証情報を全て網羅したXMLファイルでも提供されます。 NMR分光法[3]や極低温3次元電子顕微鏡[4]によって決定された構造に対する検証パイプラインは、現在開発中であり、後ほど導入予定です。

X線構造の検証レポート例など更なる情報については、こちらをご覧ください。 また、新検証レポートについてのフィードバックをお待ちしております。コメントや質問は validation@mail.wwpdb.orgまでお送りください。

[1] Read RJ, Adams PD, Arendall WB, III, Brunger AT, Emsley P, Joosten RP, Kleywegt GJ, Krissinel EB, Lutteke T, Otwinowski Z, Perrakis A, Richardson JS, Sheffler WH, Smith JL, Tickle IJ, Vriend G, Zwart PH. (2011) A new generation of crystallographic validation tools for the Protein Data Bank. Structure 19: 1395-1412. doi: 10.1016/j.str.2011.08.006

[2] Gore S., Velankar S. and Kleywegt G.J. Implementing an X-ray validation pipeline for the Protein Data Bank 2012, Acta Cryst., D68, 478-483. doi: 10.1107/S0907444911050359

[3] Montelione GT, Nilges M, Bax A, Güntert P, Herrmann T, Richardson JS, Schwieters C, Vranken WF, Vuister GW, Wishart DS, Berman HM, Kleywegt GJ, Markley JL. (in press) Recommendations of the wwPDB NMR Structure Validation Task Force. Structure.

[4] Henderson R, Sali A, Baker ML, Carragher B, Devkota B, Downing KH, Egelman EH, Feng Z, Frank J, Grigorieff N, Jiang W, Ludtke SJ, Medalia O, Penczek PA, Rosenthal PB, Rossmann MG, Schmid MF, Schroder GF, Steven AC, Stokes DL, Westbrook JD, Wriggers W, Yang H, Young J, Berman HM, Chiu W, Kleywegt GJ, Lawson CL. (2012) Outcome of the first electron microscopy validation task force meeting. Structure 20: 205-214. doi: 10.1016/j.str.2011.08.006

[ wwPDB News ]


作成日: 2013-08-05 (最終更新日: more than 1 year ago)2014-01-17

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