PDB形式変換不可エントリー
「PDB形式変換不可エントリー」は、以下のいずれかの理由により、PDBフォーマットでは表現できず、PDBx/mmCIFフォーマットでのみ表現可能なエントリーです。
- 非常に大きい(原子数が99,999より多い)
- 非常に複雑(鎖数が62より多い)
- 2文字以上の鎖名が使用されている
- 複雑なシート構造(例えば、大きなベータバレル構造)
- 温度因子が大きい(値が1000以上)
- 5桁の化合物IDが使用されている
2014年12月10日、これまで提供してきた分割エントリー(splitエントリー)は廃止され、1つの巨大エントリーに統合されました。この変更を行った一番の理由は、旧来から利用されているPDBフォーマットでは統合エントリーが持つ原子数や鎖数を扱い切れないことです。そこで、wwPDBではPDBフォーマットを後継のPDBx/mmCIFフォーマットに移行することを検討してきました。そして、分割エントリーは1つのエントリーに統合し、個々の分割エントリーは廃止することとしました。今後新たな分割エントリーは公開されず、統合されたエントリーだけが公開されるようになります。
多くの旧来からあるソフトウェアはまだPDBx/mmCIFやPDBMLを処理できないため、wwPDBでは複数のPDBフォーマットファイルに変換したファイル群(pdb bundle)を提供し、引き続き巨大構造を読み込むことができるようにしています。以下のソフトウェアはPDBx/mmCIFを扱うことができます。詳細はPDBx/mmCIF関連ソフトウェアのダウンロードも参照下さい。
- Molmil
- PDBjウェブサイト(CIFファイル Tree viewer)
- jV
- Jmol/JSmol
- PyMol
- OpenBabel
- UCSF Chimera
- OpenRasMol
- Coot
- CCP4mg
上記のソフトウェアはPDBx/mmCIFの扱いに対応していますが、巨大構造がデータが大きいため、正しく巨大構造を読み込むことができない場合もあることにご留意下さい。更に、ハードウェアの増強(6GBを超えるRAM)や別のソフトウェア(上記ソフトウェアの64ビット版)が必要な場合もあります。
作成日: 2020-11-02 (最終更新日: more than 1 year ago)