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[wwPDB] 新型コロナウイルスプロテアーゼの構造が公開されました

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PDBデータが、蛋白質構造に基づいた新薬発見の出発点となります。

新型コロナウイルス(2019-nCoVコロナウイルス)由来の3CL加水分解酵素(Mpro)の高分解能の結晶構造を、上海科技大学のRao Zihe氏とYang Haitao氏が率いる研究チームが決定しました。 このウイルスのメインプロテアーゼ構造(PDB 6lu7)が直ちに一般に公開されることで、新たに認識されたヒト病原体に関する研究が進むことが期待されます。

新型コロナウイルス(2019-nCoV)の最近の出現により、WHOは公衆衛生上の緊急事態を宣言し、国際的な懸念事項となっています。 この特定のウイルスをより深く理解し、さらなる拡散を防ぐための治療法とワクチンを開発するために、世界中で多大な研究努力がなされています。

この特定のコロナウイルス由来の酵素で決定された構造は、現在のところ6LU7のみですが、PDBには、他のコロナウイルス由来の酵素の構造が多数存在します。 2003年に、関係が深い重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS)が出現し、このウイルスについて最初の構造がPDBに登録されましたが、 現在は、SARS蛋白質の構造について200を超えるPDBエントリーが公開されています。 これら関連する蛋白質の構造情報は、コロナウイルスを更に理解するために、又、ウイルスをこれ以上発生させないための新しい治療法とワクチンの開発に不可欠です。

メインプロテアーゼとしても知られるコロナウイルス由来の3CL加水分解酵素(Mpro)は、 ウイルスの蛋白質分解の成熟に不可欠です。 ウイルスのポリ蛋白質の切断を阻害し、感染の拡大を防ぐ低分子薬の発見にとって有望なターゲットであると考えられています。

2019-nCoVコロナウイルス由来の3CL加水分解酵素(Mpro)のアミノ酸配列を、PDBアーカイブのエントリーと比較すると、 少なくとも90%の配列相同性を持つ蛋白質が95件のPDBエントリーで同定されました。 さらに、これらの関連蛋白質構造には、約30個の異なる低分子阻害剤が含まれており、新薬の発見に役立つ可能性があります。 2019-nCoVコロナウイルスの3CL加水分解酵素(Mpro)とSARSウイルスのメインプロテアーゼ(PDB 1q2w)の間で、アミノ酸配列の相同性が96%という 非常によく一致しているのは、創薬において特に重要です。 これら密接に関連するPDB構造についての要約データが利用でき、 (CSVファイル) 、容易にこの情報を見つけることができます。 さらに、PDBには、2番目のウイルスプロテアーゼ、RNAポリメラーゼ、ウイルススパイク蛋白質、ウイルスRNA、その他の蛋白質など、 200を超えるPDBエントリー中に20を超える固有のSARS蛋白質の3次元構造データが保管されています (CSVファイル)。

2019-nCoVコロナウイルス由来の3CL加水分解酵素(Mpro)の公開により、この情報が最も重要で価値があると証明できる時期に、 科学データがオープンでタイムリーに利用できることの重要性が強調されます。 wwPDBは、可能な限り包括的かつ正確なアーカイブを維持する一方で、高分子の構造データを誰もが自由に利用できるように努めています。 この新しい構造と関連ウイルスの構造により、研究者や臨床医が2019-nCoVコロナウイルスによる世界規模の緊急事態へ対処するのに役立つことを願っています。

[ wwPDB News ]


作成日: 2020-02-05 (最終更新日: more than 1 year ago)2020-02-05

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件を2024-04-17に公開中

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