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タンパク質の構造入門

目次

どうして、立体構造なの?

ほとんどのタンパク質は、ある特定の形(立体構造)にならないと機能しません。例えば、卵白を熱すると白く固まります。これは、熱でタンパク質の正しい構造が壊れてしまったからです(これを「変性する」と言います)。したがって、タンパク質の立体構造を知ることはその働きを知る上でとても重要なのです。

蛋白質のかたちとはたらき

大阪大学蛋白質研究所の中村春木教授による全般的な解説 蛋白質のかたちとはたらき も参考にしてください。

eProtSエントリーの見方

例えば,PDB:4INSという例をみると下のようになります.

タンパク質名

インシュリン

生物種

ブタ

生物学的役割

インスリンは蛋白結晶学における古典的分子の一つである。多くの研究は1964年のノーベル化学賞をその生化学的に重要な分子の構造決定で受賞し、構造化学の分野で現在までにノーベル賞を受賞した唯一の女性である、Drothy Crowfoot-Hodgkinの研究室で行われた。インスリンはすい臓によって作り出されるヒトのからだにとって重要なホルモンの一つであり、インシュリンに関連する病気である糖尿病は、欧米のもっとも主要な健康問題の一つである。一方第三世界では結核がもっとも大きな問題となっている。インスリンはグルコースが細胞に取り込まれるのを助ける。もし体が十分な量のインスリンを作り出さなかったり(I型)インスリンは存在しているがそれが適切に使われなかったり(II型)した場合、その結果は糖尿病と呼ばれる。糖尿病は薬やインスリンの投与によって治療できるが、治療されないままにしておくと致命的である。

立体構造の特徴

4ins4ins_x4ins_y

インスリンが最初に結晶化された頃、精製が“成功”した後の結晶成長の再現性が問題となった。原因は結晶化には亜鉛が必要であり、亜鉛が除かれてしまっていたことであった。プロインスリンは切断され2本の鎖になる。亜鉛は水とヒスチジン側鎖の窒素に配位される。当然金属イオンはもっと多くの配位の相手を必要とする。残りの配位原子は結晶の対称性によって関係付けられた分子から提供される。このことで、インスリンの結晶が亜鉛なしでは得られない理由が説明される。

タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Baker, E.N. et al; The structure of 2Zn pig insulin crystals at 1.5 A resolution. Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci.. 1988;319:369-456. PubMed:2905485

その他

著者:Arno Paehler 訳者:小川 輝


English version:PDB:4INS

各項目の説明は以下の通りです.

タンパク質名

説明される分子の名前です.「タンパク質」とは書いてありますが,DNAやRNAなどタンパク質以外の分子の場合もあります.

生物種

そのタンパク質を生成する生物種の名前です.可能な場合には一般名(「ヒト」など)で表記しますが,一般名がない場合には学名(ヒトの場合はホモサピエンス Homo sapiens)で書かれることもあります.また,生物が作る分子ではなく,人工的に合成されたものは「なし(合成)」と書かれます.

生物学的役割

生物の体内でどのような場合にその分子が働くか,などが記述されています.

立体構造の特徴

まず,分子の立体構造を3つの方向から眺めた模式図が表示されます.その下に構造上の特徴や分子レベルで機能がどう発揮されているのかの説明がなされます.

タンパク質構造データバンク(PDB)

タンパク質構造データバンクの該当エントリーページへのリンクです。 構造概要ページへのリンク「PDBの要約」と,立体構造を表示し対話的に操作できるページへのリンク「構造を見る (jV3)」があります。 後者では分子の構造を拡大したり回転させたり,詳細な原子構造を見たりすることができます。 なおこの操作を行うには、 お使いのコンピュータにあらかじめJava の実行環境とJOGLというソフトをインストールする必要があります. 詳しくは http://www.pdbj.org/PDBjViewer/index_j.html をご覧ください.

参考文献

その分子に関する原論文やその他の関連文献情報へのリンクなどが記載されています.

著者/訳者

このエントリーの記事を書いた人、または訳した人の名前です。